八ヶ岳山麓:1万年前にできた溶岩台地

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●北八ヶ岳ロープウエイで溶岩台地「坪庭(つぼにわ)」に行こう

 北八ヶ岳ロープウエイの山頂駅前には、溶岩台地が広がっています。一周1.2㌔の散策コースが整備されています。標高2237メートルの山岳のさわやかな風を楽しみながら歩みを進めると溶岩の怪物のような異風景に出会うことができます。

坪庭1000

●名称の不思議

 北横岳と縞枯山との谷に広がるこの溶岩台地は「坪庭」と呼ばれています。広さは33万平方メートル。東京ドーム7個分にあたる広大な大地にもかかわらず、「坪庭」と呼ばれているのは不思議です。ハイマツが自生していて「中庭」のように思えるからでしょうか。

 ロープウエイが架かる前から、この地は「坪庭」と呼ばれていました。「むかし昔から坪庭だった。神聖な場所だった」とは地元長老のお話です。

 名称ひとつとっても、不思議な場所なのですが、溶岩台地が誕生した時期についてもはっきりしたことが分かっていません。

●誕生はいつ?

 八ヶ岳総合博物館の学芸員に話によりますと、1万年前の縄文時代、北横岳が噴火した時に誕生したということです。他方で、2400年前の弥生時代の噴火の時に生まれたという説もあるそうです。

 名古屋大学の奥野允教授(地質学)が、溶岩台地の下の土壌を炭素14による年代測定したところ、890年前という結果がでたそうです。誤差は、プラス・マイナス80年。約800年前に「坪庭」が誕生したとすると、時は平安時代です。富士山大噴火と重なる時期になりますが、富士山が噴煙を出していた頃、北八ヶ岳からも噴煙が舞い上がっていたのでしょか?。

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